弁証法とは

  • 弁証法とはどういう意味?
  • 弁証法がビジネスに応用されることもあるって本当?
  • 弁証法の発展に貢献したヘーゲルって誰?弁証法の歴史って?

弁証法とは、簡単に言えば、「2つの対立する意見があるときに、その2つの意見をまとめたような、一段レベルの高い意見を生み出す」という思考方法をいいます。

この記事では哲学用語である弁証法について、具体例を使って簡単に分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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弁証法とは何か?簡単にわかりやすく解説!

冒頭でも少し見ましたが、弁証法とは「2つの対立しあう意見があるときに、その2つの意見をまとめて取り込むような、さらに優れた意見を生み出すこと」をいいます。

例えば、Aという主張があったとしましょう。

一方でそれに反する主張Bがあります。

この2つの主張は、一見すると「Aが成り立つときにはBが成り立たない」という関係だったとします。

しかし、議論を重ねることで、双方の主張を切り捨てずに、統合したより良い主張Cを生み出すことができるかもしれません。

このような順番でより優れた主張を生み出そうとする考え方のことを、弁証法と呼ぶのです。

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テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼとは

弁証法とは主張Aとは矛盾する主張Bがあり、議論することで双方を兼ね備えた主張Cを産むことができるという考え方でした。

ここでいう主張Aがテーゼであり、定立とも呼ばれます。

それに反論する主張Bがアンチテーゼであり、反対命題・反定立などとも呼ばれます。

そして主張Cがジンテーゼであり、総合命題とも呼ばれます。

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アウフヘーベンとは

アウフヘーベンとは弁証法の過程でジンテーゼにたどり着くことを意味しています。

矛盾していたものを戦わせた結果、それを超越したものが生まれる過程と思ってもらえれば分かりやすいと思います。

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弁証法の歴史(発展過程)

ここでは簡単に弁証法の発展過程をまとめて置きたいと思います。

弁証法ははじめヘーゲルという哲学者によって唱えられました。

(弁証法のおおまかな考え方自体はヘーゲル以前にもありましたが、哲学の様式に従って正式に定式化したのはヘーゲルです)

その後の時代になって、ヘーゲルの弁証法に大きな改良を加えた哲学者が2人います。

それがマルクスとキルケゴールです。

それぞれの哲学者が唱えた弁証法の内容について、順番に見ていきましょう。

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①ヘーゲルの弁証法

ヘーゲルが弁証法を唱えたのは、どうすれば「真理」に到達できるのかを指し示すためでした。

ヘーゲルが弁証法を唱えるまで、哲学者が重要視していたのは、「真理」とは何かを解き明かすことでした。

「真理」とは簡単に説明すると、いつでもどこでも成り立つもの、もしくは絶対に疑うことのできないものです。

ヘーゲル以前の哲学者の多くは「真理」とは何かを求めることに熱中し、それぞれの答えを導き出していました。

しかしその「真理」に到達するには何をすればよいのか、という問題には誰も取り組んできませんでした。

そこに気づき、「真理」に到達する方法として弁証法を唱えたのがヘーゲルでした。

彼はドイツ生まれの哲学者で、著作である「精神現象学」のなかで、弁証法によって「真理」に近くことができるという主張を述べています。

この著作の中には「主人と奴隷の弁証法」に関する議論が述べられています。

これは、この後多くの哲学者に影響を及ぼした議論なので簡単に説明しておきます。

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主人と奴隷の弁証法

まず主人と奴隷は、支配する側ー支配される側の立場にあることを前提とします。

ヘーゲルはこの関係の中に弁証法的な要素があることを明らかにしていきます。

主人は奴隷を利用し、人間的な生活をおくっています。

一方、奴隷は主人の命令通りに活動することで、生きることができています。

一見すると、この状況で自立しているのは、主人のように見えますが、支配される側である奴隷がいなくなってしまうと主人は生活できなくなってしまいます。

しかし一方で奴隷は主人がいなくなっても、これまでの活動を自分のために続ければいきていくことが出来ます。

つまりこの瞬間に本当の意味での自立が何かが明らかになるのです。

ヘーゲルは自立という言葉の観点から、立場の逆転が起こること、その結果客観的に見ると、支配者と被支配者の立場が入れ代わるのだということを指し示しました。

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②マルクスの弁証法

マルクスは元々は、ヘーゲルの弁証法を批判し、新しい弁証法を作り出します。

それが「唯物論的弁証法」です。

簡単にいうと唯物論と弁証法を組み合わせたものを作り出したのです。

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③キルケゴールの弁証法

またキルケゴールも弁証法に影響された一人です。

彼は質的弁証法というものを唱えました。

これはヘーゲルの弁証法を批判しました。

簡単に説明すると、ヘーゲルの真理への到達は普遍的すぎて、個々人にはその真理は重要でない、個々人にとって納得できるのが真理であるとし、それを弁証法的に論じました。

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弁証法の具体例

さらに弁証法を分かりやすく説明するために、これから3つの例(花の例え、円柱の例え、ダイエットの例え)をあげます

弁証法の具体例①:花

「花」は「蕾」が花に成長したものであり、「花」は将来的には枯れて「果実」となります。

この「蕾」→「花」→「果実」の流れの中に、生命の弁証法的発展を見て取ることが出来ます。

「蕾」をテーゼとすると、「蕾」が成長して「花」に変わった結果、「蕾」は蕾であることを否定されます。

つまりここで「花」はアンチテーゼになります。

しかし「花」も枯れると、「果実」となります。

つまり「果実」がアンチテーゼとなるわけです。

しかし、この過程の中で「花」は「蕾」という存在がなければ、存在することができず、「果実」も「花」という存在があるおかげで、存在することができるのです。

つまり、この3つの関係(「蕾」、「花」、「果実」)は互いに否定する関係にありながらも、互いを否定することによって、成長していく関係と見ることができるのです。

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弁証法の具体例②:円柱

ある物体があります。

Aさんはその物体を見て、これは円だと言います。

しかしBさんは長方形だと主張しています。

二人は議論を続けるうちに、お互いがその物体を二次元でしか見ていないことに気づきました。

初めてその物体を3次元で見た二人は、それが円柱だということに気づきます。

つまり、Aさんはその物体を真上から見て円だと言い張り、Bさんは真横から見て長方形だと主張していたということがわかったでしょうか?

ここでは弁証法によりこれまでに二人の間にこれまでになかった視点が生まれたことがわかると思います。

弁証法は新しい視点を見つけて、問題解決するという点から、よくビジネスや実生活においても必要な思考法とされています。

最後にもう一つ、弁証法がビジネスにも使えるのだという分かりやすい、例を紹介したいと思います。

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弁証法の具体例③:ダイエット

ダイエットをしたいAさんがいるとします。

Aさんはダイエットがしたい、つまり痩せたいわけです。

一方でAさんは食べることが大好きです。

ここで痩せたいという欲望と、食べたいという欲望は対立しています。

しかし、Aさんはどちらも叶えたいので知恵を働かせ、カロリーゼロのゼリーを発明して、それを食べつつ、ダイエットに成功することが出来ました。

これらの例を見ていただくと分かりますように、一見対立するような主張に対してどちらも叶えたいとい欲望から、高次元な解決方法が生まれる。

その過程を繰り返すことで更に高次元に発展していく、というのが弁証法の考え方です。

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おすすめの書籍「弁証法とはどういう科学か」

弁証法は哲学用語で、哲学書などから弁証法を勉強するのはとても難しいと思います。

哲学書を手にとって、多くの人がつまずくのは、そもそも言葉が難しいという問題です。

しかしこの本は、初心者にとっても、分かりやすいような簡単な言葉で弁証方とは何かを説明してくれています。

またそれだけでなく、筆者は哲学ではなく科学的なアプローチで弁証法を説明し、それを問題解決にどのように利用できるのかを分かりやすく、まとめてくれています。

ビジネス書のように手軽に読むことができる本ですので、「哲学書のようなこむずかしい本は読みたくないけれど、弁証法は理解しておきたい」という方におすすめです。

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まとめ

今回は弁証法とはどういう考え方なのかについて、具体例を使いながら説明いたしました。

弁証法とは2つの矛盾する主張を戦わせることで、双方の主張を含む、更に高次元で新しい主張が生まれてくる、というヘーゲルによって唱えられた思考法でした。

この思考法はあらゆる問題の解決方法を考える上で重要な考え方といえますので、ビジネスマンの方はぜひ知っておきたい思考法といえるでしょう。

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