
(帝王学とはどんな学問?天皇家でも学んでいるという帝王学の内容について、簡単に分かりやすく解説します)
- 帝王学とはどんな学問?
- 天皇家では帝王学が必ず教えられるって本当?
- 一般人でも帝王学は学べる?おすすめの本は?
帝王学とは、ごく簡単にいえば「政治家や王族など人の上に立つ人間が、人々を上手に治めるための方法」のことをいいます。
帝王学の意味
政治家や王族など人の上に立つ人間が、人々を上手に治めるための方法を学ぶ学問
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現代の感覚から考えると、なんとも「エラそうな学問」ですが、一人の王様(皇帝)が何千万人もの人間をたばねていた時代には、とても大切な学問だったのです。
日本でも昔は天皇が政治をしていましたから、伝統的に帝王学を学んできたといいます。
また、現代においても昔とは異なる形で皇室のあり方や、天皇としてのふるまいを学んでいますから、こうした学問のことを指して「帝王学」と呼ぶことはできるでしょう。
(もちろん、大昔とは内容が全く異なりますが)
現代ででは経営者や政治家の人たちは人の上に立って指示を出さないといけない地位にありますから、帝王学に近い内容を学ぶことがあります。
この記事では、帝王学とはどんな学問なのかについて簡単に分かりやすく解説します。
一般人でも気軽に帝王学を学べるおすすめ本なども紹介していますから、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
帝王学とはどんなことを学ぶ学問?
帝王学とは、ごく簡単に言うと「人の上に立つ人が、上手に人を使うにはどうしたいいのか?」を考える学問です。
帝王学による教育が必要なのは、政治のトップや王室、大企業の跡取りなど、ピラミッドのトップにいる人たちが学ぶものです。
庶民とはかけ離れた人達の世界では、知られざるマナーや深い素養を備えている必要があります。
それをじっくりと学ぶのが「帝王学」というわけです。
帝王という単語からなんとなく支配的なイメージを受けますが、要するに組織を代表する人間として恥ずかしくない人間になるためにはどうしたらいいのか?を考える学問です。
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日本で言えば天皇家
天皇家では幼少期から「帝王学」を学ぶといいます。
天皇は諸外国でいうところの王室にあたるので、マナーや素養という面においては最高のものを知っていなくてはならないのです。
もっとも、現在の皇室は国民を統率する立場というよりは、「国民の統合の象徴」ですから、国民から支持され続けるためにはどういう生き方をしなくてはならないのか、ということを中心に学んでいらっしゃると思われます。
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天皇陛下や皇太子殿下が学んでいる帝王学の内容は?
はっきりいってくわしい内容はよくわかりません。
しかし、歴代の天皇や今上天皇ふるまいやエピソードから、どのような内容の帝王学を学んでらっしゃるのか?をうかがい知ることはできます。
天皇家における教育は、小さいころから始まります。
歩き方やテーブルマナーなど細かいところまでキッチリとしつけられます。
興味深いのが、徹底的に「好き嫌い」をなくすように教育するという点です。
これは、諸外国とのパーティーで苦手料理を避けて失礼をはたらいてしまわぬように施される教育です。
美智子様は、食事の際、浩宮様の好き嫌いによる食べ残しを一切許すことなく、浩宮様は泣きながら苦手な料理を召し上がった、というエピソードが残っています。
年齢が進むにつれ、超一流の学者からマンツーマンで教育を受けて、皇族として必要な素養や知見を得たりします。
今上陛下は、最高級の教育者である慶応大学義塾長の小泉信三氏から、非常にレベルの高い教育を受けていたそうです。
また、国民との接し方、公務に対する向き合い方なども、天皇家における帝王学のカリキュラムの重要な部分です。
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帝王学を学んだことが役に立たない・逆効果になることも?
現代のいわゆる「エリート教育」「英才教育」が、本来の帝王学とはまったくことなる逆効果を生んでしまうことがあります。
本来のあるべき姿の帝王学は、伝統ある家系を守り抜き、民衆を正しき方向へと導くことを主眼に置いているものです。
しかし、現代のエリート教育では「自分がえらくなるにはどうしたらいいか?」「権力者におもねり、自分が権力者になるにはどうしたらいいのか?」といったことしか教えません。
こうした教育の結果として「自分がえらくなって、裕福になりさえすればいい」とい考えの人間が生まれてしまうことも考えられます。
残念ながら「民衆を正しき方向へ導くこと」などから遠ざかり保身や既得権益を守るためのノウハウとして使っている人間が多くいるのが実情です。
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帝王学に関する名言とその意味
帝王学に関連する有名な名言・格言をいくつか紹介しましょう。
①乱にして敬(らんにしてけい)
出典は書経、舜帝の臣下によるものです。
ことを納めることが得意でありつつも、他者への思いやりが深いさまを表します。
つまり何かもめごとが起きた時にもめている両者を納得させながら仲裁を取ることができる能力が必要であるということです。
②草創と守成いずれか難き
出典は中国の皇帝「太宗」の言葉です。
国を作ることも、そしてそれを守り抜くこともどちらも大変に難しいものであるという意味です。
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③君は舟なり、人は水なり
こちらも出典は中国の皇帝太宗の言葉からです。
国のトップを船、民衆を水(海)に例えた名言です。
国のトップが落ちぶれてしまうのも、全ては民衆次第という意味です。
④よき幕賓(ばくひん)を持つこと
こちらは昭和初期の評論家、伊藤肇が残した言葉です。
幕賓(ばくひん)とは、要するに有能な側近というような意味です。
幕賓を持つことにより、トップとしての役割を全うすることができるということを示唆しています。
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⑤臣下が君主をいさめるには~
臣下が君主をいさめるには~死を覚悟してかからねばならぬ。それは刑場へと赴き、敵の大群のただ中に突入していくのと、いささかの変わりもない
出典は中国の皇帝太宗です。
家来が君主に対して反対意見を述べるということは、死の覚悟さえ伴うものであり、そのような決意から出された反対意見はありがたく受け止めるべきである、ということです。
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一般人が帝王学を学ぶなら何から始める?
国のトップではない庶民でも、本から帝王学を学べます。
諸外国の要人とのパーティーに参加する機会がないにせよ、仕事やプライベート、人間関係において役に立つ知識を取り入れることができます。
貞観政要:帝王学の古典と言えばこれ
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中国の古典においては帝王学についてまとめた書物が多く遺されています。
中でも「貞観政要」は大変優れた書物です。
上の名言で太宗の言葉をたくさん紹介しましたが、貞観政要は太宗の言葉をまとめた書物なのです。
貞観政要は、現在でも帝王学のバイブルとして経営者や政治家に重宝されています。
内容的には、リーダーとして組織をあるべき方向へと進ませるためのノウハウや、自分の事業を次の世代に引き継ぐときの注意点などが書かれています。
ビジネスリーダーや政治家を志す人には、一読する価値のある書物といえるでしょう。
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マキャヴェリの「君主論」も帝王学の名著
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中国古典のほかにも、たとえば中世ヨーロッパの史論集なども帝王学の学習に役立ちます。
有名なところで言えばマキャヴェリの「君主論」ですね。
君主論は、君主国と君主本人の在り方について追求した論書です。
時には君主は冷酷な決断を下さなければならない、などの主張がなされ、リーダーシップの取り方を深く学ばされる一冊です。
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初心者OK!帝王学にまつわるおすすめ本(自己啓発・ビジネス書)
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帝王学をベースにしたビジネス書において非常に高い評価を受けている一冊です。
主にリーダーや経営者として必要な素養や考え方が学べます。
時流を読むことを中心に説いており、不透明な行き先をいかにしてクリアにするか、などといったことを重点的に学習することができます。
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まとめ
帝王学は、国や組織のトップに立つものが、国や組織を守り抜き、繁栄させるために学ぶものです。
過去においてはその名の通り「帝王」として国の主君としての在り方を問うものでしたが、現在ではビジネスシーンのチームリーダーとしての帝王学が存在するなど、その在り方は少し変化しています。
帝王学を学べば、組織やチームを上手に引っ張っていくことができるようになる、あるいはそのためのヒントが見つかるのかもしれません。
帝王学とは、国家や企業などのトップに位置する人間に必要な素養と知見、マナーを与えるものです。
天皇家においてはマナーや素養の面が強調された帝王学になっているようですね。
これはやや特殊例で、国家繁栄、企業の業績を守る使命を帯びた人間にとっては、時流を読む、人材の扱い方など、より実践的な学びが帝王学です。
普通に生きている中でなかなか役に立つ機会はないかもしれませんが、上昇志向が強い、独立したい、というように思っている方にとっては、帝王学は必修科目とでも言うべき学問です。
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